本)経営・ビジネス系

November 09, 2019

大槻奈那・松川忠「本当にわかる債券と金利」477冊目

金融のことを勉強するようになって数年。債券って国債以外ほとんど未知の世界で訳が分からないので、借りて読んでみました。

難しい・・・ひとことで言うと難しい。というか、なんで難しいかというと、具体的に債券(新規発売する国債や地方債以外)を売ってるところを見る機会がないから難しく感じるのかもしれません。クーポンとか実質利率とか、複雑なのは確かだけど、株みたいに売ってるのをたくさん見られれば、少しはイメージがつかめるかもしれないけど、オンライン証券のサイトには、全部で10個も載ってない。全部、初心者が手を出すべきではない「BBB」の「劣後債」とかだったり。海外の情報サイトを見ても、見方がわからない。

そういう人は背伸びしないで、「債券中心に運用」っていう投資信託を買えばいいんだよな、きっと。

October 31, 2019

田坂広志「使える弁証法」476冊目

なんとなく、心理学を悪用して人を思い通りにする本みたいなタイトルだけど、「世の中で求められている商品やサービスは、一定の法則で移り変わっていく」ことを述べた真面目な本でした。

キーワードとしては「ニューミドルマン」…御用聞きがコンシェルジュへと進化。

テクノロジーの進化の対極にあるようなアナログなサービス。確実に進化していくんだけど、行き過ぎると必ず真逆のことが逆に求められるようになる。要はバランス。あっちに傾き、こっちに傾き、しながらだんだん上昇(あるいは前進)していく、だから現状や過去をよく観察していればこの後に何が来るかは容易に想像できる、等々。

薄い本で、かつ行間がスカスカなのでブログやウェブ記事1本で済む気もするけど、頭に入りにくい内容の場合、こうやって何度も何度も畳みかけてもらったほうが入りやすいので、さらっと読んでも残るという加減がちょうどいいのかもしれません。

 

 

October 30, 2019

及川卓也「ソフトウェア・ファースト」475冊目

日本でエンジニアといえば及川卓也です。DECはともかく(若い人はもう存在したことを知らない)、マイクロソフト、Googleと錚々たる経歴を積んだ後に、組織や開発プロセスのコンサルティングを主業に独立し、日本中のエンジニアたちに絶大な人気を誇る彼の近著。

で「ソフトウェア・ファースト」ってのは何かい、新しい極右政党かい?・・・じゃなくて、あらゆる仕事はソフトウェアを整備することで業務を効率化するだけでなく最適な形へ向かう、といった、ソフトウェアを中心に置いた仕事論、キャリア論、組織論でしょうか。ここまで来るともうMOTの教科書のようなひとつの学問世界が構築されつつあるようです。Google以降の彼の働き方は「プロフェッショナル」の放送内容くらいしか知らなかったので、マイクロソフト時代からうまく流れるようにキャリアパスができてたんだな、と改めて知ることが多かったです。

「ソフトウェア・ファーストと言いたくなるのは、彼がたまたまソフトウェアのエンジニアだからじゃないか?」という疑いの目で見る人はいるかもしれません。電機の営業職も土木設計者も銀行マンも、自分の仕事が世の中で一番大事だと思ってたりするものです。でも思うに及川さんは今の時代、ソフトウェアが仕事の頂点にあると気付いて、どこから入ったとしても(実際彼は新卒で営業職についています)、やがてはソフトウェア開発にたどり着いたんじゃないかという気もします。

この本が、一切の進歩をかたくなに拒絶しつづけている日本の会社に役立つかというと、そういう会社に何を説いても同じだろうな・・・。私は、EC企業に就職した親戚に送ることにします。エンジニアのキャリアの緒に就いたばかりの彼にとってこの本が、自分の将来のキャリアを考え始めるきっかけに、そして指針になることを祈っています・・・。

August 30, 2019

えらいてんちょう「しょぼい起業で生きていく」467冊目

Kindle Unlimitedをとうとう申し込んでしまった。すると、こうやってサラサラと何冊でも本が読めるんだな。なんかちょっと怖い。

この本も、単行本を定価では買わなかったかもしれないけど、Kindle Unlimitedのおかげで、ハイボール飲んでる間に読んでしまいました。

面白い。なんか心地よい。私はそっち側の人間だ、と改めて思う。大学を出て就職しなきゃいけないのかー、って、授業さぼってぶらぶら歩きながら考えてたのに、いつの間にかこんなに長い間会社員をやって、なんとなく見方によってはバリバリとやってるように見えなくもない。やっかみを受けることもある。でもそういうのが耐えられなくて、どんどん具合が悪くなってきてる。こんだけ働いた(いや大して働いてないけど、社会人っぽくふるまってきた)から、もういいだろう。私もそっちに逃げるよ。

実際まもなく自由になろうとしていて、ひょっとするととりあえず会社作るかもしれないんだけど、「会社創業なんたら」は捨てた。とりあえず私は・・・この店長がやってる店に一杯ひっかけに行ってみよう。うん。

森本作也「SONYとマッキンゼーとDeNAとシリコンバレーで学んだ グローバル・リーダーの流儀」466冊目

タイトル長いよ!
一見すると、日本のイケてるメーカーの社員として世界を回った後留学してベンチャーという、初めて聞くわけではない経歴なんだけど、この人はサウジアラビアやドバイ、フィンランドといった、日本と大幅に違う文化の国でそれぞれ1年以上の長期間、勤務してたところが出色。
職種としてはビジネスディベロップメントのようなんだけど、ピープルマネジメントの専門家でこの本もその方面の本だなと思いました。
面白かったけど、まさか小説を読まされると思わなかったので(「実践ビジネス英語」スキットの和訳みたいな)ちょっとストーリーには入り込めませんでした。


June 23, 2019

デービッド・アトキンソン「日本人の勝算 大変革時代の生存戦略」464冊目

この人の本は何冊か面白く読んでいるので、最新の意見を聞いてみたいと思って読んでみました。

最低賃金を上げるというのは、実現できれば素晴らしい。ただ、その判断ができるのが、最低賃金を決められる官公庁の人たちだったり、企業トップだったりするという事情から、変わるのは相当難しいだろうなぁと思う。今までずっと、かしこい判断ができずに現状をもたらした人たちが、どうすれば考えを改めるのかな?

あと、生産性というと、昔は相対的に若い社員たちがガンガン付加価値をたくさん生み出す仕事に邁進してたけど、今は給料と年齢が高い社員や役員たちが、ほとんど付加価値を生み出さない”仕事”をしてる。彼らは、自分たちも若い頃は死ぬほど働いてたから、もう楽してもいいと思ってる。それは事実だと思うけど、ガンガン働く若い人たちはもうあまり入ってこない。歳をとっていて付加価値を生み出さない人たちは、楽してお金をたくさんもらうのが普通だと思ってる(自分たちの若い頃も大先輩はそうだった)ので、反省などする気はない。

だから私はあまり楽観的にはなれないです。時給の安い仕事をしている若い人たちは、うんとお金のお勉強をして、外国の口座でも保険でも仮想通貨でもなんでもやって、別のところでがっちり儲けるといい。年取って勉強しない人たちより、自分たちにふさわしい報酬を勝ち取ってほしい、と思います。

本当に、どうするのが一番いいんでしょうね。極端な贅沢を減らすことも、生きていけないような貧乏も、せめて努力で変えられるといいのに。

June 19, 2019

ジム・ロジャーズ「大投資家ジム・ロジャーズ世界を行く」463冊目

すごく面白かった。「冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見 」の方がいわば続編。あっちが大型車で命の危険が少ないのに対して、こっちはまだ黒髪のジムが大型バイクで酷暑や極寒、砂漠や湿地、世界中を回ります。全く命知らずな!

1980年代の世界は、ロシアがまだソビエト連邦(崩壊寸前)だったりする。定点観測が重要だとよく言いますが、この本と続編を持って実地で外国に出かけるだけで、30年分のその国の経済誌がたどれます。

面白いしかなり共感するけど、私にはこんな過酷な旅は、国内でもムリ・・・。でも、実態を自分の目で見て投資するのは、やってみたいです。本当のことを、世界中のことを、知りたいという気持ちを抑えるのは難しい。私がどこまでジム・ロジャーズに近づけるのか、目指してみたいです。

June 10, 2019

ティモシー・フェリス「週4時間だけ働く」461冊目

この本が、その後の日本の一部の人たちの仕事観を根本的に変えた・・・と聞いて、さっそく図書館で借りて読んでみました。
この著者は、すごく現実派、実践派なんですね。自分でやってみたことしか信じない。この考え方を貫くのは、周囲とのあつれきがすごかっただろうし、乗り越えられて今があるのは本当にすごいです。なんとなくとか、上司や信用できそうな人たちが言ってるからとかでなく、工夫したら改善できると思ったら、やる。そして誰も傷つけない。みんながそういう生き方をすればいいのに・・・。週4時間は無理でも週3日とか・・・毎日午前中だけとか・・・
私ももっと自由な時間が欲しいです。自由な時間に怠けるんじゃなくて、ちゃんと身体を鍛えたり、ボランティアに打ち込んだりしてみたい。
「お金を稼ぐ方法」はいろいろあるけど、「自分が一番時間をかけてやりたいこと」とそれがイコールとは限らない。それぞれの人が、自分に一番合ったやり方を見つけるのは難しいと思うけど、見つけられたらベストなんじゃないだろうか。かなり具体的に、秘書業務のアウトソーシング方法なども書いているのですが、全部英語での対応なので、これを日本版で探してみると面白そう。人にものを頼むのは得意なほうじゃないけど、役割分担は必要。うまくアウトソースできる人間にならなければ!

June 06, 2019

船ヶ山晢「お金と自由をもたらす最速の稼ぎ方」460冊目

最近こういう本読むこと多いな。普通なら読まないタイプの本だったけど、読んでみたら至極真っ当だった。

製造業が「顧客志向」の大切さに気づいたのはもうだいぶ前のことだけど、これは例えば「すでに顧客を持っているライバルのところに行って、協力することで顧客を掴む」とか、誰も敵に回さずにちゃんと確かな見込み顧客に出会う方法まで説いています。ちょっと斜め上を行ってる感じ。

例に挙げてるのがスペイン語教室というのがまた良いです。私はキューバやスペインが好きだし、南米に行って見たいと思ってるけど、スペイン語が全くできないので、自分の人生の中からスペイン語を諦めてました。もし本当に話せるようになったら・・・と思うと、それだけでちょっと心が動きますね。

ゴールはお金なのかな?お金がたくさんあれば、たくさん寄付もできるし、働くのを辞めてボランティアの日々を送ることもできる。つまり自由だ。私はフルタイムで働くのがキツイと思い始めているので、オフィスにべったりいなくても鍼灸院に行くお金が稼げたらいいな・・・と思う。お金は大切です。

お金を払ってくれた人たちのために心底一生懸命尽くすこと。払ったら終わり、とお客さんをポイ捨てするんじゃなければ、大事なお金をあげてもいいと思えるかもしれない。・・・お金ってものの不思議な性質が、前より少しわかりかけてきた気がします。

May 23, 2019

奥村聡「0円で会社を買って、死ぬまで年収1000万円」457冊目

読み終わってタイトルを見たら、なんてまぁ都合のいいタイトルなんでしょう。そんな美味しい話、簡単に見つかるわけありませんね。もちろん、ちゃんと利益を上げ続けられる企業を買って、しっかり維持、発展させていくことが前提です。

「300万円で会社を買って・・・」という本(三戸政和)も読んだけど、両方とも、結局のところ経営ってどういうこと?ということが、生の小企業の譲渡の現場の場数から見えてくるようです。勉強になるわ。

経営者になるには、度胸だけは絶対必要な気がします。私には無理かな〜〜。金銭的な利害が関わってくると、人を困らせるのが辛くなって「お人好し」の振る舞いしができなくなりそう。わきまえた人生を送れれば、と思います。。。

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