映画)アメリカ(90年代以降)

January 01, 2012

フランク・カペラ監督「ヤクザvsマフィア」322

1993年作品。

原題は「American Yakuza」…このままでも十分わかりやすいし、実際ヤクザ対FBIが闘いのメインの映画なのでこの邦題はおかしいのですが。
ロードオブザリングのファンには、若きヴィゴ・モーテンセンが主役を演じた映画として知られているでしょう。私は、最近音楽活動を再開した元ARBの石橋凌で検索して見つけました。

ひとことで言うと、80年代ファッションやロックの影響を色濃く残した、ハリウッド製B級ヤクザ映画…です。
ところどころアクションシーンをはしょってコストを浮かせているっぽいところがあるし、全編B級の香りただよう、Vシネマな感じの映画なのですが、ヴィゴと凌が出会い、友情をはぐくんでいくという部分はよく描けています。刑務所から出てきたばかりのヴィゴも、アメリカで一旗揚げようとしているヤクザの凌も、義理堅く汚いことが嫌いなのは同じ。わざわざアメリカでヤクザ映画を撮るだけあって、この監督はおそらく親日派でヤクザ映画がお好きなのではないかと思います。FBIを裏切ってヤクザにくみしていいのか、と良識が問いかけてきますが、命を助けたもの、助けられたものどうしの友情は素直に胸にひびきます。

といってもやっぱりB級だなぁ…そんな元旦、今年最初の記念すべき映画がこれでした。以上。

December 02, 2011

マーティン・バーグ監督「バトル・オブ・シリコンバレー」312

1999年作品だそうです。
Apple2~Lisa~Macintoshあたりのアップルの歴史と、PC-DOS~Windows3.0あたりのマイクロソフトの歴史を、ジョブス&ウォズニアック、ゲイツ&バルマーを中心に描いたドラマ。Facebookをテーマにした「ソーシャル・ネットワーキング」と比較して感想を書いてる人がたくさんいますが、映画としての出来は比較にならない・・・こっちはテレビのクイズ番組のスキットのようなものです。なんかちょっと品がない。

ただ、学生によるスタートアップを、仕事の中身より起業家の人間関係に注目して描いた映画という点は同じです。こういう映画って日本ではあんまり想像できないですよね!?ホリエモンと三木谷氏の友情や恋愛の映画なんてあまり見たくないような。・・・それ以前に、本田宗一郎や松下幸之助の恋や友情の映画もあまり考えられないですよね。知りたいのは、「仕事上どうやって成功したか」のほうで、なんとなく、恋や友情で青春を謳歌するやつは仕事には身が入らないようなイメージってありませんか?・・・実際は恋も友情も出世も謳歌してる人は大勢いるはずですが。

Windows vs Macの初期の話を身近に感じたい非ITの世界の人にだけ、まあ見てもいいんじゃないと言える、そんな作品でした。

原題は「Pirates of Silicon Valley」。パイレーツオブカリビアンの洒落でしょう。「海賊版」って言葉があるくらいで、Pirateという言葉はソフトウェアを違法コピーする人のことも指します。この映画ではゼロックスパーク研究所で初めて開発されたグラフィック・ユーザー・インターフェースを持つパソコンOSを、結局ビルゲイツもスティーブジョブズも真似したんだろ、という意味かなと思います。その後違法コピーを大いに取り締まって訴えたりしていた彼らを海賊と呼ぶのは、たいそうな皮肉ですが。

以上。

November 23, 2011

プレット・モーゲン、ナネット・バースタイン監督「くたばれハリウッド」309

2002年作品。これは、この間見たばかりの「ローズマリーの赤ちゃん」、「チャイナタウン」のほかにも「ゴッドファーザー」「コットンクラブ」等々、パラマウントで多数の名作、ヒット作を”監督”でなく”プロデュース”したロバート・エヴァンスの自伝を映画化したものです。

大根役者としてスタート、実業家として成功、呼び戻されて数本の映画に出演、役者の才能がないことを痛感してプロデューサーを目指す、映画は脚本だと考えて「ローズマリーの赤ちゃん」の原作を手に入れる、ポーランド人監督ポランスキーを登用・・・
数本の大成功作品、監督や役者選びの才能、「ある愛の詩」女優との恋と成功、ゴッドファーザーとコッポラの登用、パラマウント社の再建・・・
妻を放り出して仕事に熱中して離婚、派手な生活の裏の孤独、コカイン、解雇、殺人事件の犯人という誤報道・・・
人心を読めるやり手でプレイボーイ、世界のすべてを手に入れた後で失い、また手に入れた男の一生です。

感動しました。大笑いして、言葉を失い、特典映像のスピリット・オブ・ライフ賞授賞式の映像では泣けてしまいました。日本の映画監督は、企画や脚本も自分でやる人が結構いるのではないかと思いますが、ハリウッドはやっぱり分業が進んでいるのかな。大きな映画会社では、最初にアイデアがあってプロデューサーがいて、監督は脚本家、出演者等と合わせてセッティングされていくものなのかな。
そして現実の人の一生は、一本の映画と比べ物にならないくらい、長くてキツい。

ありがちなことですが、原題「The Kid Stays In The Picture(この小僧は出演させるぞ)」という、ロバートがプロデューサーを目指したきっかけの一言が「くたばれハリウッド」という本質から遠く離れた日本語になっているのは残念です。

プロデューサーって何?という私の疑問の答に大きく近づかせてくれた1本。彼のプロデュース作品をいくつかじっくり味わった後で見るべき作品です。いい映画をこのところたくさん見てますが、中でも特に鮮烈な印象を残してくれました。

くだらないと言われそうですが、プロデューサーとしてのロバート・エヴァンズとスティーブ・ジョブズの共通点は、いいものと悪いものの区別に関して迷いがないこと。・・・という気がします。いいものを完成させるための努力をするのは当然だし、区別がつかない人にいちいち説明もしないから嫌われる人には嫌われる。身内も傷つける。人としての幸せより、最高の何かを目指すことを重視する。で、これが泥臭いオヤジなら同情もされるのに、スマートだから憎まれる。・・・私から見れば、見た目がスマートだろうがオヤジだろうが、真摯に打ち込むことは尊いし、カッコイイ人の苦労もちゃんと認めてあげてほしいと思います。
以上。

November 05, 2011

デビッド・フィンチャー監督「ソーシャル・ネットワーキング」301

2010年作品。ついこの間上映されたばかり。
IT業界のすみっこに長くいたし、インターネットのコミュニティは昔から好きで参加してきたほうなので、この映画は見ないわけにはいかないと思ってました。

私の周りでもこの映画を見た人は多いのですが、「見なくてもよかった」とか「よくわからなかった」という人も多い…。「面白かった」とは誰も言ってなかったかもしれません。そんなわけで私は期待しないで見たのですが、なかなか面白かったですよ。

起承転結っていう構成ではなく、Facebookの創始者マーク・ザッカーバーグが起こされた2つの訴訟を中心にして、訴訟につながった設立時のごちゃごちゃ(過去)と、弁護士との話し合いの席(現在)がパラレルに進んでいきます。

若くて頭でっかちで口のきき方を知らない小僧たちが、どうも憎めません。以前の職場にこういう、偏執狂的に早口で頭の回転が速く、ちょっと傲慢だけど根は人のいいエンジニアがいました。話についていくのに必死だったけど、そんな仲間たちと一緒に過ごすのがいつも楽しみでした。私がこの映画に親しみを感じるのは、そういう小僧たちの映画として作られてるからかな、と思います。マークやその友人エドゥアルド、エリートの双子、Napsterのショーン、それぞれを茶化しながらも愛情をもって描いています。

ハーバードってなんとなくカッコいい、とちょっと思ったけど、映画マジックにだまされただけかも?

今日のひとこと:ビルゲイツのスピーチの場面は、姿よりも声としゃべり方が似てます。以上。

September 19, 2011

デイビッド・イェーツ監督「ハリー・ポッターと死の秘宝パート2」286

私だってこういうのも見るんです!
というより、かつてはこういうのばっかり見てました。
このシリーズはほとんど劇場で見てます。
公開が7月15日、今日は9月19日だからもう2カ月以上、しかも3D上映を続けてるわけですね。すごい。

私こどもの頃から特撮もの好きでSF好きで、スターウォーズの最初のも劇場で見て大いに盛り上がりました。ハリポタシリーズはさらに私の好きなイギリスが舞台で、私の好きな魔法や妖怪の世界ですから。

キャラクターも魅力的だしストーリーにヒネリもある。ただ、この最終回に関しては、もはやストーリーはあと最終決戦と大団円を待つだけなので、キルビル2よりも期待はありませんでした。見たいのは3DCGのすごい画面。そして、この子どもたちが非情で厳しい戦いから解放されるところ。感情移入しすぎかもしれないけど、選ばれし者として試練にさらされ続ける彼らがふびんでふびんで…。
最後まで見届けることによって、自分がやっと解放された感じです。でも、こういう「絶対悪」をやっつけてセイセイした気分で映画館の外に戻っていって、なんとなく同じような巨悪に見えた大きな組織の人たちを糾弾したりしないように気をつけたいと思う…。現実の世界は、自分たちと同じくらい弱虫な人がたくさん集まって虚勢を張って形作ってるんじゃないかと思います。ピンポイントで攻撃するより、バラしたほうがいいのでは……なんて…

ともあれ機会があったらシリーズ全部通しで見てみたいな。あまりがっかりすることなく最後までハラハラドキドキ楽しませてもらいました。

って感想にも紹介にもなってなくてすみません。今日はこの辺で。