芦沢央「火のないところに煙は」462冊目
どこかで書評を見て、面白そう〜、怖そう〜、と思って借りた。
面白かったし怖かったけど、ちょっと脈絡をつけようとしすぎてる気がしました。「リング」「らせん」・・・一連のあのシリーズみたいに、どんどんルール変更が行われていく中で、あとの方の巻で最初の方の巻の辻褄が合わなくなった部分の説明がどんどん長くなる・・・というのが、ちょっぴりめんどくさくなってくる。読者ってものは、うまいこと騙してくれれば、論理の辻褄が合わなくても怒らないもんよ。
しかしこの、霊能者、たたり、といった横溝的戦前的世界を、なんの違和感もなく平成〜怜和の時代に登場させているのは、なかなかの語り部っぷりです。説明がつきづらい部分は筆者の迷いとして書かれているのもうまい。
「たまに読むならこんなミステリー」ですね。読みなれた人も、普段読まない人も、楽しめる、怖がれる一冊ですよ。
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