島田雅彦「深読み日本文学」423冊目
先日NHK文化センターで講義を受けて感動した島田雅彦が、日本文学を存分に語った1冊。
200+ページの新書なのですぐに読めます。語り口が目の前で話してるようで読みやすい。
そして偏っている。講義と同じだ。偏愛日本文学。文学もだけど政治に関しては一言も二言もあって、時間がいくらあっても足りません。
中でも最高だったのは「谷崎潤一郎作品を読むために重要な5つのポイント」。あまりに面白いので3つほど引用させてください:
第一に根っからのスケべであってほしい。(「・・・下ネタにかまける人を軽蔑するタイプの人・・・は谷崎には手を出さず、漱石を読むべきです。」)第二に悩める知識人であってはならない。第三に常に何かを崇拝し続けること。などなど。
この本で、愛猫を剥製にしたのは谷崎くらいだろうと書いてあるのを読んで、一瞬私もやろうかと思ってしまったけど、多分恐ろしい、似ても似つかないものになって眠れなくなりそうなのでやめておきます。
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