有栖川有栖「鍵のかかった男」391冊目
これは2015年に書き下ろしで発売された作品。
今までで一番読みやすかった。大人らしい抑えた文体だし、”鍵のかかった男”が重層的で興味をそそられます。
宝くじ当選とか事件に巻き込まれるとか抑えた文体とか、私の敬愛する佐藤正午を少し思い出しました。
ミステリー的にはこの作家のいつもの「犯人は誰だ?」が主で、いつものように最も重要なのは「タイミング」です。アリバイはない、だけどなぜこの人にしか犯行ができなかったのか?
でもやっぱり、動機がなぁ・・・。最後の最後にとってつけたような動機が語られても、ここまで読み進んで、登場人物それぞれの人となりを一応わかったつもりでいるからこそ、「なるほど、あの人がねぇ」という納得感が欲しかったです。
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