有川浩「阪急電車」363冊目
面白かった。
大勢の登場人物のそれぞれが生き生きと愛嬌いっぱいで魅力的。
時系列を、阪急今津線というこじんまりとしたローカル電車の各駅に停車しつつ進めていく「群像劇」なんだけど、その工夫や人物造形の魅力だけに止まらない、人生観の深さが感じられます。
大学生や若い社会人のカップルたちの恋の馴れ初めが初々しく語られ、おばちゃんたちの図々しさにチクリと針を刺し、この小説を読んでると初恋の頃の恥ずかしさや嬉しさを思い出す人も多いのでは。
この小説は特に作りが独特なので(そこが面白さな訳で)、別の小説も読んでみたいなぁと思いました。
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