辻村深月「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」358冊目
読み進むにつれて、だいたい筋はわかってるつもりになってたのに、「最後の最後にやってくる感動」というのは本当だった。この涙は、この先自分と自分の母親の間に、新しい道筋をつけるのかもしれない。一時的なものかもしれないけど。
答のないものだから、「問題を解決できた」人なんてほとんどいないと思う。一人残らず母と娘はこんな気持ちの葛藤を死ぬまで持ちつづける。お葬式で女たちは、お給仕をしながらよく笑うけど、女たちの悲しみはずっと深くてずっと残る。私たちの愛情はそんなふうだから。
まだ若いのにすごい作家だなぁ。
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