村上春樹「TVピープル」355冊目
昔読んだ覚えがある。
読み返してみて、息詰まるような感じがした。
1980年代の村上春樹は、いまの作品から振り返ってみると、閉じ込められて出られない、だんだん狭苦しくなっていく、出口がない、という印象が強くて、精神的に追い詰められた子どもの絵を見てるみたいだ。
かわいそうに。
なんて言葉が出てきてしまう。
そして、自分が眠れないとき、なんとなく神経がたかぶってリラックスできないときに読むと、不安がすこし高まってしまうような気がする。かといって元気いっぱいのときに読みたい本ではないし。村上春樹がバカ売れする世界って、そういう不安や閉塞感を共有してるってことなのかな。
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