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July 2016

July 05, 2016

西加奈子「サラバ!」353冊目

苦節1年くらいかな。
なにも苦しまずに待ってただけですが、図書館で予約して、待ち人数200人とか80人とかを乗り越えて、先週やっと借りられました。

西加奈子ってそんなに好きだと思ってなかったけど、この小説は熱かった。
テレビに出てるときは、わりと甘えたような関西弁だなーと思ったけど、本当はとってもクレバーな人だった。
多分すごく自分自身の体験が描かれてるんだろうけど、それは普遍化されてる。
引っ越した先が、あなたはエジプト、私は隣町、出会った本当の友達が、あなたの場合コプト教徒、私の場合バレエを習ってる女の子、のような違いは本質的なものではない、と思う。

最初は変わった人たちだと思いながら読み進めて、途中からこれは自分の話だと思いはじめる人が、多分たくさんいると思う。自分が信じる何かを見つけるのは、10歳の人もいれば30歳の人もいるし、50過ぎてからやっと見つかる人もいるだろう。生きてるうちにちょっとでも近づければいい。あるいは、何かを探し始められれば、それだけで十分なのかも。

自分の今までのことを、つぶさに思いだそうとすると、どうしても苦しくなってしまう。でも、壁に当たったときにはいつも、昔住んでた場所に出かけて行ったもんだった。懐かしい人に会えれば会って、ありがとうとだけ伝えたりした。そう考えると、この小説は、自分の人生がいつか終わるということを踏まえて、きれいに片づけるために書き始める、読み始めるものなのかも。

この先ずっと、自分が何か見失ってるなと思うときに、この本のことを思い出すと思う。すごい影響力じゃない??

July 01, 2016

山内マリコ「ここは退屈迎えに来て」352冊目

私とおなじく中年(ズキッ)の女友達から借りた。
彼女も地方都市出身で、この小説には大いに共感したらしい。
私も、わからなくもないんだけど、私は後先考えずに田舎を出て、遠くに来ちゃったなーとは思うけど、そのまま出かけ続けているほうだから、「待つ」ことの共感は薄いかも。
なんとなく、村上春樹とか佐藤正午のような、ふらふらと、そういう待つ女たち(みんな魅力的)を渡り歩く男が出てくる小説に対する、アンサーソングのようです。彼らが出会う素敵な女性たちは、それまでどう暮らしてたんだろう。そのあとどう暮らすんだろう、とたまに思ってました。
彼女たちは、主人公の男性が現れる前から、ちょっと好奇心の対象に飢えていて、だけどちゃんとキレイで感じよく暮らしている。彼女たちが実際何を考えて、何を思っているのか・・・ということを描いてくれて、ちょっと嬉しいです。

きっとこの小説を書く人も、読む人も、とってもチャーミングなのにちがいないと思ったら、実際山内マリコさん美人ですね。美人には美人のサガがあるのかなぁ。。。