三島由紀夫「音楽」318冊目
三島由紀夫が大衆雑誌に書いたこういう小説って、ほんと面白い。
人間の心より奥の体の芯みたいなところに眠ってる、性というものを深く掘り出してきます。
いつものように、若干上から目線。読者が非インテリであることを前提として、読後感は軽く抑えてあります。しかしそれが読んでて心地よい。私はMか?いや、作者がくやしいくらい頭が良くて、人間を転がすことに慣れすぎてる。
こんな調子で、百発百中のヒットを飛ばし続けてたんだろうな。
その一方で、読者も雑誌も小説そのものも、どこか馬鹿にしてる。何もかもが自分の思い通り(ノーベル文学賞以外は)・・・という中で、何が彼を最後の瞬間へ駆り立てたのか。・・・やっぱり随筆とかも読んでみようかな。
« 三島由紀夫「三島由紀夫レター教室」317冊目 | Main | ジョージ・オーウェル「1984年」319冊目 »
「本)文学、文芸全般」カテゴリの記事
- Min Jin Lee「Pachinko」473冊目(2019.10.27)
- 朝井リョウ「世にも奇妙な君物語」456冊目(2019.04.30)
- パブロ・ネルーダ「2000年」「大いなる歌」454、455冊目(2019.04.21)
- 川村元気「億男」453冊目(2019.04.20)
- 朝井リョウ「何様」452冊目(2019.04.14)
The comments to this entry are closed.
Comments