田口ランディ「キュア」306冊目
仏教書みたいだった。
登場人物に作者自身の思いを語らせる部分が多すぎる小説は、おもしろくないし、エンタメ性がどんどん下がっていく。
それにしても、すっきりしてる。「コンセント」「アンテナ」「モザイク」という流れで、爆発して、それを少しずつ収めてきた著者が、独自のスピリチュアルの世界に突き進もうとしている。
この人にとっては、すごくいい、美しい流れだと思う。私のほうは共感度が下がってきてるのは、自分がまだ爆発もしきれないままぷすぷすくすぶってるからかもなぁ。このままノリでお遍路さんなんか行ってしまったら、納得しないままの人生になっちゃうのかな。
などと思いました。
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