雨宮処凛「なにもない旅 なにもしない旅」334冊目
読み終わって暗い気持ちになった。最後まで読んだりしなければよかった。
私はどんな旅行も好きで、なにもなさそうなところのなにもない宿に泊まってさえ、必ず「面白い!」と叫べるほど、好奇心には自信がある。この本もそういう人の心踊る本かと思ったら、「ほーらつまらないだろう」という、がんばらず認められもしない人生を終わりかけているおっさんのやっかみのような本だった。
私はこの著者のことを誤解してたのかもしれない。脱貧困でがんばってるキラキラした目をした人かと思ってたけど、自分より不幸だから貧困層の人たちと仲良くしてる人に見えてきた。
彼女たちの旅は、ときに「当たり」ときに「外れる」んだけど、当たりのときなんて「貧乏旅行」じゃなくて「安くて超お得な豪華夕食の宿」で、外れは予想どおりなのにいちいちわびしいだのがっかりだの、そんな旅行ができて満足だの、私にはとても共感できないものでした。素直に「スッゲーおもしれー」とか言えばいいのに、本当に楽しくないのかしら。
ああ、なんかこの本私はダメです。人それぞれだと思うので、その手がお好きな人にお任せします・・・。
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