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February 2015

February 14, 2015

村上春樹「女のいない男たち」328冊目

図書館に予約を入れたのは、いつだったか思い出せない、くらい前。
この人の本って出ればかならず読むけど、所有したいという気持ちがなぜかないので、借りるのが一番なんだよね。でも予約しても数ヶ月待ち。


 


この人の本に出てくる男性って、イケメンでなくても女好きがしてすぐに相手が見つかる。彼は日焼けして筋肉質で、相手の女性はスリム。ってイメージが強いど、今回は非美人とかおばさん体型でもいいらしい。(少しほっとしてる)


 


相変わらず面白いし、続きが読みたい飢餓感に大いに苛まれて、いつものように強い麻薬みたいです。
渡利みさきの正体がもっと知りたい。にせ関西人の木樽って何者だ。犯罪組織にかくまわれている風の羽原もきになるけど、シェエラザードっておばさんは強烈だ。
「木野」の問題って実はおよそたいしたことじゃないのに、なんでこんなに大掛かりなんだろう!


 


こういう興味って下世話な感じもする。文学読んでるから上品ってわけじゃない。
今回もまんまとやられたな、と思います。


February 08, 2015

有栖川有栖「高原のフーダニット」327冊目

久々に図書館に行ったら、つい余分に本を借りてしまった。
本格ミステリのこの著者の本はわりと読んでるほうで、今回もタイトル借り。
「フーダニット」=whodunnit=who'd done it ミステリといえば、の「犯人探し」。
この本は中短編集だし、フーダニットがタイトルについてるところからしてコメディの予感。
トリックはわりと本格的ふうだけど軽く読める本でした。
特に、"いわゆる叙述トリック”は書けない等々とえんえん言い訳をしたあとで始まる叙述トリックの「オノコロ島ラプソディ」は笑いながら(やっぱりな)と読みました。
(クリスティばっかり読んで育ったので、根っから疑い深い人間に育ちあがってしまいました)


 


ほんとに、読み手を仲間と想定してるかのような内輪的な小説を書く人で、大学のミステリ研にでも入った気分ですが、そういうのもわりと楽しいです。


February 07, 2015

シェリル・サンドバーグ「リーン・イン」326冊目

一昨年発刊されて、働く女性たちやその周囲の人たちに大旋風を巻き起こした本。やっぱこういうのは読んでおかにゃ。


 


TEDトークも見たけど、本を読んだ感じは、意外なほど、デリケートな女らしい人だなぁ。(という私の発言そのものが性差別である、)見た目や振る舞いと関係なく、割合平気でズンズン出世していく人が、日本にも意外といるんじゃないかと私は感じています。実力ではなく、周囲が自分をどう見ているかということに対する感受性と耐性の強さが、女性が実際に昇進していけるかどうかをかなり決めているのではないかと。


 


この本は、男女雇用均等なんたらが解決するほど男女の仕事問題は簡単なものじゃなかったことを認めて、人の心の中にある障壁をデータで示したことが大きな功績で、その論法は組織論方面のビジネス書のようです。


 


なんとなく、日本では、昇進さえ望まなければ面白い仕事ができるということで満足している女性たちと、それをうまく利用している男性たちと、なんとなくそれでいいと思っている職場というのが広く存在している気がする。それから、年寄りばかりにお金が集まる仕組みがあちこちにあって、子どもを作って育てることをみんな恐るような変てこな空気が醸成されてしまっていて、国としてはお先真っ暗…という気がするけど、どうなんだろう。