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November 25, 2012

春日武彦「自己愛な人たち」284冊目

自分大好きそうな人とちょっとばかり、トラぶってるので参考のため読んでみました。
でもこの本は個人的にはあまりお勧めしません。面白いかもしれないけど、私は役に立つ本が欲しかったので。

精神科医が書いた本ですが、考えが偏っているような印象があります。人の資質にそれぞれ違いがあることが念頭に置かれていないような。体質、感覚、その他、いろいろな違いを考慮してその人に合った治療をしなければ病気は治らないと思うけど、精神科のような質・量ともに症状を特定しにくい領域だと、若干画一的な考え方になりがちなのかなしら。

それと、たとえば自分の子ども時代について書くときに「父は最年少のxxx長であった」という、コンテクスト上不要な自慢がひそんでいたり、「自己愛人間ウォッチの醍醐味」について書いて、自分が患者を見ることにイジワルな楽しみを感じていることを表明していたり。

ワイドショーを見るのが好きな人向けの本かも。あるいは著者はサービス精神で、ワイドショー的な文章を書いたのかもしれません。私は心理分析とか精神科治療の話を読んで、自己愛くんへの対処方法(特にうまいかわし方)を知りたいと思ってこの本を買ったので、ほとんど目的を達成できませんでした。以上です。

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Comments

はじめまして。
春日武彦先生の本で実践的な本であれば医学書院「援助者必携 はじめての精神科」がおすすめです。
これは医療従事者やヘルパー等仕事上で「困った人達」と接しなければいけない人の心構えと対処法がはっきり書かれています。
私は他科の医師ですが、人格障害が原因で他人に迷惑をかける人達の心理状態を分析する事は意味がないと感じています。なぜなら境界性パーソナリティー障害や自己愛性障害はもって生まれた性質であり治療して治る病気ではないからです。彼らを分析しても机上の空論にすぎず実際自分やスタッフの身の安全を守る役には立ちません。自分大好きな人達とトラブルを避けるためには「不必要不用意に関わらないこと」が一番です。
一般的に自分の考え方を変える事は可能ですが他人の考え方を変えるのは無理なので、彼らを理解したい、諭したいと思うのは無意味かつ危険だと思います。春日先生だけではなく研修先の精神科教授、精神科医の実妹からもそうアドバイスされました。
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2004dir/n2590dir/n2590_01.htm

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