総合ケアセンターサンビレッジ「「尊厳を支えるケア」をめざして」277冊目
2006年発行。
岐阜で30年以上老人介護施設を運営してきている会社による、さまざま事例とその考察をまとめたケースブック。寝たきりで体中に管をつながれた状態でひたすら延命するのが当たり前だった時代に、オーストラリアでの研修で、亡くなる直前まで残存機能を生かして作業をする、いきいきとした利用者の姿を見て、日本の介護を変えようと試行錯誤してきた・・・という過程が書かれています。
これって・・・ビジネススクールの副読本だよね?
というくらい、整然と分類されているし、多数の失敗事例とそこからの学び、今後の施設があるべき姿への提言もあって、経営を学習してる人には本当に役立ちそうな本です。
本の帯を厚労省の人が書いています。「本書はわが国の高齢者介護のトップ・ランナーの30年の実践の成果を示している。」というのは本文でこの施設自身が「介護保険のシステム作りの参考になった」等と書いていることと一致しています。日本では30年前に、ほかにはどんな施設があったんだろう?当時から外国の施設で研修した人たちはほかにもいたかもしれない。ケースとして研究してみたいものです。ていうか行ってインタビューしてみたい。
病院に関しては最近経営分析が進んできているようだけど、高齢者介護施設はどうなんだろう?
( 川越胃腸病院をとりあげた、金津佳子・宮永博史「全員が一流をめざす経営」なんて本もありましたね。)
2006年当時「岐阜駅前に、住居や介護施設、病院等が1か所にまとまった43階建ての施設がもうすぐできる」と書かれているので、調べてみたらもう建ってますね。http://www.sunvillage-gifu.com/ 自分が老後を過ごすならこんなところがいい!と思いますが、実際建ててみてどうだったんでしょう。・・・よし、次の旅行先は岐阜に決定だ!
・・・以上。
« 米沢慧「『幸せに死ぬ』ということ」276冊目 | Main | 山本雅基「山谷でホスピスやってます。」278冊目 »
「本)全般・その他」カテゴリの記事
- 半藤一利・出口治明「世界史としての日本史」474冊目(2019.10.27)
- モーリー・ロバートソン「悪くあれ!~窒息ニッポン、自由に生きる思考法」471冊目(2019.10.13)
- 井出明「ダークツーリズム~哀しみの記憶を巡る旅~」470冊目(2019.10.09)
- 齊藤成人「最高の空港の歩き方」469冊目(2019.09.28)
- 角田陽子「名門ホテルコンシェルジュの心をつかむ上品な気配り」468冊目(2019.09.06)
The comments to this entry are closed.
Comments