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October 2011

October 30, 2011

藤巻健史「マネー避難」299

こないだこの著者の講演を聞いてきました。日本は赤字国債を発行しすぎている。国の累積赤字がすごいことになっている。地震に引き続き原発事故も起こり、日本の対外的な価値は下がっているはずなのに異常な円高が続いている。→円安が進み、日本は本来の姿に戻る。…ということは、ものを知らない私もうすうす気づいていましたが、講演会で藤巻氏は、国債の「未達」(売り出した分が全部売れず残ってしまうこと)が起こった途端に劇的な円高とインフレが起こると警告を発していました。しかも3月と同じくらいの地震と原発事故が再び起こって、東京に住めなくなる恐れもあると。そこで今なんぼかでも動かせる資産がある人は、外貨にしろ!外国株を買え!と強く警鐘を鳴らしたのでした。

ふむー、そうかも、とにかくこんな先が見えない時代はリスク分散が重要なのは確かだわ…と思い、わずか1時間の駆け足の講演を補うべく、最新の著書をゲットしたわけですが。それほど具体的な背景や見通しが得られたという気はしないのが正直なところです。

電気代を大幅に上げるべきだ、ということを訴えても、この人はその方面では一般人だし、本に書いたところで政策や電力会社の方針を決める人は気にも留めないでしょう。あくまでも一般投資家に対して、持っているお金の運用を決めるための、背景の事実と分析、将来の見通しだけを書いてほしかったです。もっともっとデータを載せてほしかったし、分析結果と考えは別にしてほしかったです。

講演を補足する情報はほとんど得られなかったけど、リスクヘッジには同意するので今後お金がたまったら(将来かい!)意外としぶといドルとか韓国企業株とかに投資してみたいと思います。というわけで、私としては、この人の講演会や運用方針にはagreeだけどこの本はあんまり買いじゃないです。

October 28, 2011

私立探偵 濱マイク 3 萩生田宏治監督「どこまでも遠くへ」 297

この前に「2前田良輔監督 歌姫」も見ました。UAの歌が素晴らしいんだけど「1」ほど書くことが見つからなかったのでスキップ…。「2」は憂歌団の木村充輝が出てたりして音楽マニアっぽい作品でした。

「3」はわりとテレビドラマらしく、明るい昼間の屋外の場面で登場人物がそれぞれの個性たっぷりに会話し、走り、この世界観の理解を深めてくれる回だと思います。前に見たときに武田真二演じるチンピラが怖かったなーという印象があったけど、今見てもやっぱり、何をしでかすかわからない感じで怖いです。

「3」にはタツヤがたくさん出てきます!端役だけど。(Blankey Jet Cityのドラムスをやってた中村達也。ライブハウスのオーナー役で出てます。あの目の鋭い刺青の男です)シビレる!!
その後どんな風に年をとったんだろう。永瀬正敏、村上淳、松岡俊介…と、このシリーズはほんとにいいオトコだらけですね…。

「濱マイク」見ながら年を取った女はきっと「Domani」じゃなくて「InRed」とか読むんだろうな。(ファッションテイストの話。)(私はユニクロでもなんでも、だけど)
…以上。今回とくに中身の薄いブログですみません。

October 01, 2011

畑村洋太郎「失敗学のすすめ」289

「失敗学」ってのは「サクセスストーリー」の対極にあるもので、畑村先生によると失敗を客観的に記録したり分析したりするのではなく、失敗を引き起こした人自身の目線で、どうしてそういう判断をしてしまったのか、ということをつきつめる学問らしいです。

一度読んでみようとずっと思っていてやっと読みました。震災のずっと前から三陸海岸を歩きまわって、昔の人が建てた「ここより下に家を建てるべからず」という石碑の下に家が建っていることをこの本で取り上げていたことが知られていて、いまは福島原発の事故調査委員会の委員長を務めています。

正直、期待してたのですが、この本はちょっぴり肩すかしな感じでした。わりと「今の日本はだめだ、外国に学ぼう」という論調が目立ちます。よい失敗データベースを適切に作れば失敗が減らせると書いていたり。失敗する人の側からの分析をするなら心理学とか人間工学の研究も必要な気がするけど、具体的な分析についてはあまり触れられていません。これは最初に導入編として書かれた本で、その後もっと詳細な分析が行われたのかもしれません。この本では「失敗学」というものを宣言し、実際に失敗を減らす方法や減らせたというケース報告は別途…だったのでしょうか。実績を出すのはとても難しいと思うので、私も参考にしながら気をつけます。。。以上。