« P.F. ドラッカー「プロフェッショナルの条件 いかに成果をあげ、成長するか」246 | Main | 川島雄三監督「幕末太陽傳」 »

June 13, 2011

日本女性放送者懇談会・編「放送ウーマンのいま~厳しくて面白いこの世界~」247

放送の仕事に何らかの形で関わり、仕事をこなしてきた女性たちを幅広く取り上げて、それぞれ自分の言葉で語ってもらった本、です。編者の「日本女性放送者懇談会」というのは、さまざまな放送関連業務に従事している女性たちが、ジャンルや局を横断して研さんしあう会で、2009年にその発足40周年を記念して作られたのがこの本なのだそうです。

「放送」ってたとえば?…AMラジオに始まってアナログテレビ、FM放送、ケーブルTVや衛星放送、コミュニティFM、インターネットラジオまで取り上げています。「仕事」って?…ディレクター、プロデューサー、アナウンサー、タレント、編成、カメラ、編集、音響、二次展開、人事、営業、経営、気象予報士、タイムキーパー、フードコーディ
ネイター等、かなり広範囲にカバーしています。NHKも民放も、キー局もローカル局も、プロダクションの人もフリーの人も。

という幅広さなので、放送業界をざっくり知りたい人や、就職を考えている女子大生なんかには非常に役立つ本だと思いますが、それぞれの語りが熱くて、ドキュメンタリーのように訴えかけてくる言葉のコレクションでもあります。さすが放送の人たち、雑多なものをまとめて感動させるのがうまい。

「男の世界」として始まった放送業界の中で、女性たちがどうやって生き抜いてきたかという点も、印象深いところが多々あります。マイノリティである女性だけのこういう会の存在意義は、まだしばらくはありそうです。

印象に残った部分。琉球朝日放送で沖縄戦や基地問題をとりあげた番組を制作した三上智恵氏が、ジャーナリストやアナウンサーを志す人に対して言っている言葉「生きざまとして楽をしない」。「その年代年代でぶち当たる課題にぶつかってみる。…(中略)…自分の前の矛盾や課題に向き合い、逃げないこと、解決はできなくても、毎回自分で請け負う勇気が必要で、そこから、矛盾に向き合っている他の人たちのことで本気で怒ったり悩んだりできる人間になれると思うのです。」親戚付き合いが面倒だから結婚しない、とかではなく、ぶつかって悩むことで心のひだができる。といいます。

逃げ場を与えないコトバで、読んでてちょっと苦しくなりますが、見る人に緊張感を与える業界なんですよね。そういう生き方を選んだ人たちの世界なんだな。と。「第一線で働く」ってのはそういうことなんだと思います。

私はどっちかというと「生きざまとして(なるべく)無理をしない」方なので、こういう人の爪の垢を煎じて飲んだ方がいいのかな…。でも燃え尽きるまで走り続ける人だけだと、後始末ができないので、私は後方支援をする人間でいようと思います。と思ったりしたエネルギッシュな本でした。
以上。

« P.F. ドラッカー「プロフェッショナルの条件 いかに成果をあげ、成長するか」246 | Main | 川島雄三監督「幕末太陽傳」 »

本)映像関係」カテゴリの記事

Comments

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

« P.F. ドラッカー「プロフェッショナルの条件 いかに成果をあげ、成長するか」246 | Main | 川島雄三監督「幕末太陽傳」 »