西田浩「ロックと共に年をとる」237
帯にはこうあります:ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン・・・(中略)etc.「伝説」たちに聞いた、音楽の話、人生の話。
タイトルからは、最近はやりの「大人でもロックを聴こうじゃないか運動」(どこで誰がそんなことやってるんだ)を促進する内容を想像したのですが、帯を見ると音楽ゴシップ本のようです。こういう不一致感が、読んでいる間もずっとつきまといました。著者の中にもそういう矛盾があるような印象で、みんな、またロックを聴こうよ!と呼びかけているのに、足りないものがある。自分はどんな音楽が好きで、仕事ではいつ誰と会ってどういう話をして・・・と語るんだけど、音楽そのものやミュージシャンに対する「愛情」が伝わってこないのです。
もうひとつ言うと、文章表現が平板すぎます。会って態度がよかった人は「潔い」ばっかり。そうでないと彼が感じた人に関しては「復活のための戦略だ」といってみたりして、自分の立ち位置がロックファンだと言っているのになんだか興味本位のワイドショーのレポーターのように感じられることも多いです。
わたしと同じようなやりかたで音楽を愛してる人が書いた本ではなかった・・・というのが感想です。以上。
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