佐藤正午「幼なじみ」234
岩波書店の「Coffee Books」というシリーズの1冊として出版された、わずか68ページで挿絵のたくさん入った、大人の絵本って感じの書き下ろしです。
幼なじみの女性のニュースを見たことをきっかけに、時間をさかのぼって彼女との思い出を徐々にたどっていく、という流れは、最近の著者のものではないかと思ったら、やっぱり2009年2月に出た新しい作品でした。
なつかしく、さりげなく、あたたかく、かなしいお話。
でも「さかのぼる」という時間の流れは、自分が年をとって未来より過去が長くなるにつれて、避けられなくなっていくんでしょうね。
ビンボーで才能も何もなくても、「いつか」「もっと」と目を輝かせていたころの自分が羨ましくなってきます。
以上。
« 金津佳子/宮永博史「全員が一流をめざす経営」233 | Main | 佐藤正午「豚を盗む」235 »
「本)文学、文芸全般」カテゴリの記事
- Min Jin Lee「Pachinko」473冊目(2019.10.27)
- 朝井リョウ「世にも奇妙な君物語」456冊目(2019.04.30)
- パブロ・ネルーダ「2000年」「大いなる歌」454、455冊目(2019.04.21)
- 川村元気「億男」453冊目(2019.04.20)
- 朝井リョウ「何様」452冊目(2019.04.14)
The comments to this entry are closed.
Comments