村田喜代子「ドンナ・マサヨの悪魔」206
娘がイタリアに留学して妊娠した。青い目の夫を連れて帰った娘のふくらんでいく腹から、「おれは長い旅をしてきた・・・・」と声がする。自分にしか聞こえないその声は、地球に生命が誕生してから生物がたどってきた進化の歴史、何度も何度も食われて死んだ痛みの記憶を語る。・・・という筋。
新聞か雑誌のの書評で見て買った本です。ずっと読んでる作家だから、書評を見てなんとなく想像してた通りという印象。上記のあらすじを読めば、本そのものを読まなくてもいいかも、という気もします。(この作家の本をたくさん読んでる人には、それほど意外な展開や事件は起こらない、くらいの意味です。)
それでもどうしても読みたかったから買ったんだけど、がまんして図書館で借りてもよかったかなぁ、とも思う。表紙の絵(Mark RydenってアーティストのCreatrixって絵、たとえばここhttp://crfranke.files.wordpress.com/2009/10/the_creatrix.jpg)がちょっと魅惑的で、所有欲をソソる部分はあるのですが。
以上。
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