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January 2010

January 23, 2010

投野由紀夫「コーパス超入門」196

コーパスとは、現実世界で使われている会話や文書をテキストデータ化したものを品詞や句に分けて、コンピュータ上で扱えるようにしたもの。(で、合ってます?)この著者は「100語でスタート!英会話」って番組でコーパスを英語教育に使った第一人者として知られているそうです。この本自体も英語学習者のための本だと思って買ったけど、私はコーパスってものが英語教育にどのように使われているかを知るために読みましに興味があって読みました。

日本ではアメリカ英語を教えてることが多いと思うけど、この本で主に使われてるのはUKの書き言葉と話し言葉のコーパスだからか、聞いたことがない言い回しもたまにある。
go berserkなんて聞いたことある?

自分でコーパスを扱ったことはないので、なかなか興味深い内容だったけど、英語学習者が読んだら(とくに初学者は)「・・・で、結局なにを覚えればいいの?」と思うかも。まさに「コーパス超入門」で、じつはむしろ英語学習者向けではなかった。。。私の目的に合致した本でした。以上。

January 18, 2010

内館牧子「週末婚」195

週末婚というのは、ちゃんと入籍して姑のお世話とかの「嫁としての務めも果たす」けど、平日は夫婦それぞれが別宅で暮らし、週末だけ同居する、という形態の婚姻なのだそうです。

<ネタバレ>
主人公は、結婚後不幸そうになった姉を見てこの「週末婚」を思いつき、その婚約者も「もしかして、これこそがマンネリ化を防ぐ理想的な形態!?」とその話に乗るのですが、夫のほうの父親が急死して母親が同居を求め始めたあたりからうまくいかなくなり、結局週末も別居するようになり、やがて離婚してしまいます。

著者は結婚という形態に疑問をもち、一つのオプションとして「週末婚」を考えてみたが、それが究極の答だという結論には至らなかったようです。つまり一つの実験的小説。これが発表された頃はかなり話題になったらしいです。

佐藤正午もいつも結婚に疑問を呈してましたね。私の立場は・・・よくわかりません。大変だけど、それなりに家族がいるってのはいいものなんじゃないかなぁ・・・・。男と女じゃなく父と母になってしまう、というのも、私はそれほど抵抗は感じないけど、それは私には母になった経験がないからかもしれません。

主人公が実姉に前の婚約者との結婚を引き裂かれる、というエピソードが、メインストーリーといっていいほどしっかり書かれていますが、週末婚を決意させる上で必要なのかどうか、よくわかりません。まぁ典型的な”みにくい女どうしの嫉妬”ストーリーで、私はいつも一貫してこういうものに冷たいコメントを書いてますが、ほんとは自分の中のそういう部分を認めたくないだけなのかもしれません。うー、イヤだなぁ。

以上。

January 17, 2010

和久峻三「時効」194

お久しぶりです。久々にミステリを読みたくなって、パパ'sライブラリを繰ってこの本を選びました。警察ものです。タイトル通り、時効が近づいている事件の犯人をどうやっておびき出して逮捕するか、という警察側の捜査の日々を描いています。テーマはわりと面白いし、これをドラマにしたらわりとスリリングなんじゃないかと思うけど、作者は人間ドラマというより時効のトリックだけを書きたかったのかな?という印象です。事件をリアルタイムに描写した前半では、峰不二子ばりの悪女っぷりを見せた女が、後半では裏も企みもなく取り調べであっさりと陥落してしまったり。

しかし男性作家がミステリやサスペンスで描く女性はどうして「・・・ですわ。」とか「わたくし、・・・ですのよ。」という現実では見かけないしゃべり方をするんだろう。

以上。