逢坂剛「牙をむく都会(上)(下)」177
逢坂剛の時代物も家にあって、読みかけたんだけど途中でギブアップ。
よほど丁寧にやさしく書かないと、今と言葉が違うから読み進むのがツライんだなぁ。今まで読んで感想を書いてきた時代物の著者の人たちをますます尊敬します。
で、上下2巻だけどこっちを読んでみました。この人の本もだいぶ読んだから文体に慣れたのかもしれないけど、やっぱりこの人は現代の都会の人たちを描かせた方がキラキラ輝きます。さらさらりと快適にどんどん読み進んで、このクソ忙しいときだというのに2日で読んでしまいました。でも、この結末はなんだ。ボリュームからして「カディスの赤い星」のようなスペクタクルを期待してたのに。だいたい、内容の20パーセントくらいは西部劇のウンチクじゃないか。スペイン歴史討論会と映画祭、主人公が二つのイベントの準備に追われながらシベリア抑留にからむ事件を追う・・・というストーリーなのに、(おっと以下ネタバレ・・・でもないか)イベント当日を迎えないまま終わってしまうなんて!
この続きを続編として書いてたとしてもルール違反だと思うけど、それもなく次の作品では「OK牧場の決闘」について書いてるらしい。いくら大御所といっても、やりたい放題にも限度があります。
この人の本あと何冊あるのかな・・・。なにかもっとエキサイティングな奴が残ってるといいが。
以上。
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