トーマス・クーン「科学革命の構造」167
とうとう読み終えました。この本買ったのは2年前ですが、内容が難しい・原文も翻訳も表現が難解・引かれている例が専門的すぎ、という三重苦で、半分くらい読んだ後そのままになっていました。
このたびありがたくも、某教授の指導のもと、ほかの人たちが要約してくれたもの+専門的な引用例の解説+ディスカッションに参加することができて、なんとか最後まで読み通せました。みなさまありがとうございました。
内容は「パラダイム」という語を、現在使われている意味で初めて定義した、科学史あるいは科学哲学の歴史的名著です。大学院では、先生方から耳にタコができるほど「原典に当たれ」と言われ続けましたが、私もそう思います。著者の迷いや出版時の大きな反応、戸惑い、といったものすべてを含めて、オリジナルには原始的な濃さと味わいがあります。
「パラダイムって何?」を手っ取り早く調べたい人は、Wikiでも見ればよろし。
じっくり何十時間もかけて、眉間にしわを寄せて、頭痛がするまで脳みそを使い切ってみたい人は、ぜひ読んでみてください。でも一人で読むより、ケンケンガクガク議論しながら読むほうがいいです。自分の理解が正しくても間違ってても、かならず理解が深まります。
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