宮永博史「顧客創造実践講座」148
「セレンディピティ」「ひらめきを生む発想術」に続いて3冊目に読んだ同筆者の著作です。今までの2冊はセレンディピティとひらめきという、時間をかけて徐々に感覚を身につけていくものについてまるごと1冊ずつかけて書いてありましたが、今回はひとつの事業の計画段階から事業部の立ち上げまでを取り上げてみっちりと解説しています。いわば実践編。ある企業の研究開発部門から企画部門に異動になった青年が、自社の新規事業として海底探索用ロボットを事業として立ち上げる過程を取り上げています。とはいっても、事業部の立ち上げまでで終わっているので、続きが読みたい!という気もします。(実際にあったことの記録じゃないんだから、しょうがないか)サラっと読み流すのでなく、自分が主人公になったつもりで追体験すべし。
本を書く人の中には、ケチな人と気前のいい人がいます。ちびっとずつネタを小出しにして、薄めて薄めて何冊も本を出す人とかね。この著者は気前がいいと思う。半期分くらいの授業のコンテンツを入るだけ詰め込もうとしてる分、読む方も時間をかけてきっちり読まないと、見落としがありそう。特にSWOT分析の解説は実用的!誰もがやってるつもりで全然できてないというあのSWOT分析を、どうすれば本当に役立てられるか、ということを1章まるまる使って説明してます。これだけで新書が1冊書けると思う・・・。多分いままでの自分の仕事で実際にこうやって使ってきたのでしょう。どんな道具にも正しい使い方がある。ちゃんと使えないのに道具の悪口を言うのは、とってもつまらないことだ・・・と思う。
私は事業の立ち上げってのをやる立場ではないけど、そのうち会社をやめていつか自分で商店??でも始めるときに、またひもといてみたいと思います。以上。
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