東野圭吾「白夜行」144
はー、重かった。
手が疲れた、だって文庫本1冊で854ページもあるんだよ・・・
じゃなくて、内容が。(←長い)
思えばこの人気作家の本を読むのは初めてでした。この本も表紙が綾瀬はるかと山田孝之で、なにやらトレンディなイメージも少し持ってたんだけど、じわぁっと重い小説でした。たまに、なにか日々のストレスがたまってるときに、過去に人を殺したことがある・・・という夢をみることがある。被害者が誰かは夢の中では明かされず、ただ自分は過去のことを封じ込めて淡々と生活をしているんだけど、何かの拍子にそのことを口走ってしまいそうになって、嘘の上塗りをしてる。目が覚めて、ああ夢でよかったと思うんだけど、1度2度じゃなく、けっこう時折みるレギュラーな夢のひとつ。それが現実だったらこんな人生なのかもしれない。
馳星周が解説で、この小説は自分の作品よりノワールだ、冷徹だ悪だと、しきりにうらやんでるのがちょっとおかしいけど、確かにすごい小説でした。主人公のふたりが徹底して悪なんだけど、とてつもなく純粋で崇高にすら感じられる。上品な作家です。
毎晩飛びかかってくる子猫と闘いながら(←比喩とかではなく)読むのはちょっと怖かったけど、またこの作家の作品を読みたい!と思います。トレンディ俳優でドラマ化される作品にも名作ってたくさんあるのね。
こんどまた殺人者の夢を見たら、もうちょっと自分や過去をよく観察してみたいものです。怖いもの見たさ・・・・。
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