逢坂剛「カディスの赤い星」(上・下)137
大娯楽長編ミステリーでした。上・下で長いんだけど、あっという間に読み終えた。
日西テロリストによるスペインの総統暗殺計画とフラメンコギターを2つの軸に、恋愛あり親子の情あり秘密あり犯罪あり・・・盛り沢山です。映画化したら盛り上がりそう。
ハードボイルドものは主人公の語尾がつねに「xxxなのさ」、みたいな虚構感がありますが、いいんです娯楽だから。男の人はこういうフィクション感が心地いいのでしょうか。
印象に残ったのはヒロインのはかないキャラクター設定。女の私でも「なんでここで泣くか」といぶかるような場面が多いけど、そういう現実感のない、実は里のワラベのように純真なキャリアウーマンというのも実際はいるのかもしれない。なにやらとにかく保護本能を刺激するヒロインでした。
そんなところで。
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Comments
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takoratta様
著者が最初に書いた作品だそうで、勢いがあってキラキラしてますね。
しかしtakorattaさんと私の読書歴だけを見てると、どっちが男でどっちが女だかわからないですね・・・
Posted by: mametaro | October 24, 2008 08:53 AM
確か、社会人になってからの1回目の海外出張のときに読んだのだけど、えらく感動したことを覚えています。ギターが好きで、スペインも気になっていて、というところに、この小説だったので、いっきに盛り上がりました。全然ストーリーを覚えていないのですが
Posted by: takoratta | October 23, 2008 01:53 AM