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June 24, 2007

樋口泰行「愚直論-私はこうして社長になった」70

愚直ってなんかイイ言葉だなぁ。ロックバンドでいえばThe Who、みたいな。(偏見?)
現在日本のマイクロソフトのCOOである樋口氏が、2005年、日本HPの社長時代に書いた、戦略本というより自分の軌跡と考え方を書いた本です。「私はこれで成功しました」という本を書くと、なぜかその後失脚しがちな気がしますが、この本はHow To色が薄い分、リスクが少し少ない気がします。

たまたまじゃないけど、先週この人の講演を聴きました。本が書かれた2005年からわずか2年でこの人はダイエー再建に取り組み、それも辞めて今やアップルもHPも敵視したマイクロソフトの人となっています。彼が語ったことのスピリッツはこの本と同じで、ハーバードMBAに行こうが行くまいが、人間が変わるわけじゃないということを改めて実感しました。インチキMBAに成り下がってしまう奴は最初からインチキ手法を身に付けて大もうけするためだけに学校に行くんだと思う。

おっと話がそれました。
講演で印象に残ったことを書いておくと、
「Employee SatisfactionとCPEは両立すべきである」
「ヒラメみたいに上ばっかり見て横を見ないセクショナリズムに陥った会社はダメだ」
「パワーハラスメントは絶対に許さん」
当たり前のことを当たり前に言うのだけど、実行するという気迫のせいか、なんか熱くていい印象でしたよ。

例によって以下、メモ:
p36 IBMが個人部門に切り込んだ、1983年のマルチステーション5550は松下がOEMで作っていて、樋口氏が担当してたんだそうです。「匠の時代」でこの製品を取り上げてましたね。確かに藤沢研究所で企画・開発したが、ハードウェアは日本のM社、O社、A社にOEMしたと書いてある。Mは松下。Oは沖?Aはなんだろう。椎名さんの本もこのあたりをカバーしてます。

p43~ IBM、GE、P&Gなどは米国でも転職後活躍するといわれているらしい。松下の企業風土、HPの理念にも触れている。やっぱウチの会社にはそういうのは「ない」なぁ。企業でまとめられるようなキャラがなくて、あくまでも個人にかかっている気がする。

p163「HPウェイ」権限委譲主義。外資系企業の日本法人の経営者が多少なりとも実力を発揮するには、会社がこういう方針を対外的に打ち出すくらいのことは最低していないと、無理だろうなぁ。資本関係とはどのくらいの関連性があるんだろう?

p183 樋口さんがHP社長就任時に打ち出した5つのスローガン。
1.お客様第一主義
2.スピード
3.結果主義
4.オープン
5.日本市場に根ざす

p190 「顧客との接点にいて、顧客の声を代弁する営業部門の発言力が弱い会社は、早晩淘汰されるだろう」
ソフトウェア会社の場合、エンドユーザーに直接営業が売りに行くということはあまりないので、サポート部門が声を拾ったほうがいいだろうな。

p192 2002年~2003年にかけて、コンパックがHPと合併。フィオリーナはこれによって総合コンピュータメーカーとなってIBMに対抗し、勝つ、というイメージをもっていたのでは?これはガースナーがIBMの社長になって総合ITソリューションメーカーという方針を打ち出した1993年から10年後のことなので、成果も出ていて、意識するには十分だったんじゃないだろうか。

p200~第6章で彼自身の思いを語ってるんだけど、なんかじわっと熱さが伝わってきて、読んでるとやる気が出ますねぇ。「負のスパイラル」に陥ってはいけないと書いてあるけど、巻き込まれずにいることも、抜け出すこともかなり難しいです。会社生活というのは、これとの戦いかもしれん。

p204 平社員なら係長、係長なら課長、というふうに、「一段上の仕事をする」よう努めてきたそうです。これはランズ・エンドの元社長の林恵子さんも同じことを書いてました。

以上。

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