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October 2006

October 17, 2006

神田秀樹「会社法入門」38

今期は弁護士による法律講義をうけてます。で、これはその推薦図書。推薦図書は3冊ありますが、法律を専門としない社会人向けなので、いずれも新書で、内容もボリュームも軽めです。

軽め・・・って、979条まである3000ページ超の法律を、200ページちょっとの薄い新書でどうやって解説するっていうんでしょう。内容は「特徴のご紹介」にとどまらざるを得ません。いきおい、「会社法ではこの部分がたいへん複雑なので、ここでは触れません」といった言い訳が多くなります。・・・言い訳部分だけ集めると2ページくらいにはなりそうだ。こういうことは最初か最後にだけちゃんと説明して、本文からは削除しといてくれ。自分がこの本を読んでることがなんとなく空しくなってしまうからなぁ。

・・・そんな感じ。従って、こんな薄い本を読んでも会社法のことは全貌がわからないばかりか、概略もサワリも理解できませんでした、という読後感です。

以上。

October 11, 2006

西岡常一・宮上茂隆・穂積和夫「法隆寺 世界最古の木造建築」37

日本人はどのように建造物をつくってきたか Ⅰ だそうです。

表紙をひらくと、「小学6年以上」と書いてあります。大きさはA4。絵本ともいえます。・・・乱読にも程があるって?違うんですよ、内容はきわめて高度な建築技術のことを、とても平易なことばと全ページ精緻なイラストで解説するものです。しかもこれ学校関連です。つながりはよくわかりませんが、宮大工は日本古来の技術経営である、かなんかで、もうすぐ伊勢神宮と法隆寺をまわる合宿に行くので、その予習として読んでおけと、大先生が学生どもに買い与えてくださったものです。

しかしすごい本ですよ。精緻なだけじゃなくて楽しいイラスト、複雑な構造や建築の順序を、小学6年でも本当にわかるように、正しくやさしく説明した文章・・・。建築上の問題点と、それにどうやって対処したかもちゃんと書いてあります。今回の旅は観光じゃなくていわば修学旅行ですから、これをあらかじめ読んでから見学に行くってのは、行ってわけもわからずに見るのと大違いです。これは・・・はまりますね。建築マニアになってしまいそうです。

日本建築の部品は、雲肘木(くもひじき)、笹刳り(ささぐり)、軒丸瓦(のきまるがわら)等々、美しいものがたくさんあるのですが、それらの名前自体も美しいやまと言葉です。

で、この次にたまたまチベット旅行記2を読んだりするんだけど、別に仏教マニアではないです・・・。建築方法もまったく違うしなぁ。チベットやブータンの寺院はいったい何年くらいもつんだろう・・・。

とりあえず修学旅行、楽しみです。

October 09, 2006

秋山雅弘+原口英紀「デジタルプロセス・イノベーション」36

学校で「中小企業のアライアンス」ってテーマで研究をすることになって、対象企業を探してるところ。

これは、金型を作っている会社むけの3D CADシステムを作ってるISV/コンサルティング会社「アルモニコス」の社長が日系BPと組んで、事務系でなく商品の設計・生産システムを合理化するためのITシステム導入を提案する本です。要は、大田区あたりの社長さんに、どうやったら本当に有効なIT投資をして生き残れるかを問い、自分とこみたいなプロに相談するといいよ、という本です。

多分売上本数を数えると大きな数にはならないんだろうけど、日本の中小企業に多いものづくり系企業の生産効率を高めるためのソフトウェアという、ニッチな需要を埋めてる会社です。外資系企業が日本のIT産業を助ける活動をするっていうんだったら、こういう会社の動きには注目しておくといいんじゃないかな。

「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律に基づく特定研究開発等計画」・・・長い・・・として認定された399件のうち、アルモニコスを中心とした9社で申請したものが含まれています。そのテーマは「グループ企業間で加工設備を共有可能とする自動加工工程設計支援システムの開発」。中小企業自身が中小企業を集めて助け合おうという仕組みや、そういうのがどうやったら成功するかに興味があります。