April 21, 2019

パブロ・ネルーダ「2000年」「大いなる歌」454、455冊目

「イル・ポスティーノ」という映画を見ました。イタリアの小さな島に、南米チリを政治亡命した詩人がやって来て、彼の家に毎日郵便物を届けるだけの仕事をしている地元の青年と交流する、という映画。その詩人が実名でパブロ・ネルーダなのです。彼がそういう島に移り住んでいたというのは史実で(郵便配達人とそういう交流が実際にあったかどうかは不明)、口伝えした詩も本物だったんじゃないかと思います。

「2000年」は晩年の著作で極めて薄い、本文40ページ程度の本だけど、「大いなる歌」は500ページ近い大著。記された言葉は、「大いなる歌」の方が、行間から美しいエネルギーが立ち上るようです。

政治犯という存在は、私からは遠すぎて理解も共感もできてません。革命に走るほどの困窮や、その中から立ち上がる人の姿を目の当たりにしないとわからないのかな。いつか南米に行けたら、もう少し知ることができればいいと思います。

April 20, 2019

川村元気「億男」453冊目

ヒットメーカーの小説、さすがの面白さ。

ただ、人気漫画のあらすじを読んだような気持ちで、理解できるし面白いけど、きれいにまとまりすぎていて心に引っかかるものがなかったです。「シェルタリング・スカイ」?と思われる北アフリカが舞台の映画が出てくるのとかマニアっぽいけど、グッとくる!というには、癖とか匂いみたいなものを感じない。そして、意外に「教訓」がちゃんと示されているところが、クラシックな印象。芸術家じゃなくて、全体を見渡して弱点を補強して最強の作品を作る「プロデューサー」っていう才能のあふれてる人なんだな、と思いました。一般読者の私ごときがいうことじゃないけど。

 

April 14, 2019

朝井リョウ「何様」452冊目

面白かった。実に面白かったです。

「桐島」は”スクールカースト”という、存在するのかもしれないけど私が一番無視したいものについて語られることが多すぎて、この作家を評価できないままになっていたんだけど、この本を読んで、朝井リョウという人の観察力、洞察力、表現力等々について見逃していることがたくさんあったと気づきました。

学校はいつか卒業(orドロップアウト)するもの。長居したいと思ってもすぐに終わる。私は学校での人間関係にあまり興味がなかったけど、特に夢や希望があったわけでもなかったなぁ。などと遠い昔に思いを馳せることは誰にでもできるけど、こういう作品に結実させられる人はほとんどいない。すごく平凡な日常しか描かれてないのに。

他の作品ももっと読んでみよう。

April 05, 2019

さだまさしと愉快な仲間たち「うらさだ」450冊目

すごく面白かったし、さだまさしのことを私はずっとあなどっていたなぁと認めざるを得ない気持ちなんだけど、看板に偽りあり!

だってさだまさし自身は、一行も書いてないんだもん。

さだまさしを愛する、あるいは崇拝する、あるいは果てしない友情を注ぐヤケに旬な男たち女たちが、語る語る。

高見沢俊彦はわかる。泉谷しげるも、今ならわかる。でも小林幸子、ホリエモン、カズレーザー、若旦那(湘南乃風)というのは、”一周回って戻ってきた”のかなという印象。

泉谷しげるに、カッコばっかり突っ張ったロッカーなんかよりずっとパンクだロックだ、なんて言われるのは最高の栄誉だと思います。本当にそうで、黙って自分の信じることをやり続けるほど根性があってカッコいいことはありません。

生さだ見なきゃ!!と強く思わされた一冊でした。

というか、これからも私は彼の音楽には五感的にはあまり興味ないと思うけど、ますます尊敬してるよ。

February 20, 2019

河本真「働かない働き方」449冊目

飛行機に長時間乗るとき、だんだん腰がつらくなってきたので、できればビジネスクラス乗りたいなぁ、安く乗るにはマイルの上級会員にならなきゃ!と思い立ったのが今年のお正月。ネットで調べるといろんな情報があって、試しにマイル塾というのに申し込んでいろいろ辿っていったら、この本の著者にたどり着きました。マイル塾だけじゃなくて、潜在能力を最大限にしてハッピーになろう!など、彼が研究してきたことも、有料のも無料のもたくさん発信しています。この人、なかなかいいこと言うんですよ。

私は親のことで長年、根深いトラウマを背負い続けてきたところがあって、ここ数年で瞑想や”看取り直し”をやってから、やっとふつうに自分を肯定できるようになった気がします。アプローチは色々なんだけど、誰かに言われてその通りにするとか、人が決めたルールを守るんじゃなくて、自分の中に何があるかをちゃんと感じる。感じられるくらい、余裕をまず持つ。そうやって、みんながちゃんと幸せになろうとし始めてる。そういうことを、世界中の人たちがそれぞれの方法で実現しようとしているのが、今の時代だという気がしています。

河本氏が説く仕事のしかたは共感するところが大きくて、「まさにその通り!」なんだけど、「やらない」と書かれてることを、たぶん相当やってるんじゃないかな私は。本当はここまでで十分ってわかってるのに、「お付き合い」でやってしまう。完全にやめるためには、飢え死にしないくらいの生活費を確保しないとかな・・・とか思ってばかりいないで、自分のありたい姿をちゃんと決めて、そこに向かい始めないとね。歳をとってくると、ますます臆病になってしまうのかもしれないけど、たぶんこの著者のお母さんだって、彼から何かを感じとって変わりつつあるんじゃないだろうか?

自分の親くらいの人たちと、おしゃべりカフェでお話しするのは本当に楽しいし、猫とも子どもとも真剣に遊んでしまう。もともと私には(他の誰にも)垣根なんてないんだから、自分の心の中に「こっち!」って声が聞こえる方に向かっていけばいいんじゃないかな、と思います。(と、自分に言ってる)

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